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野球好き塾講師のブログ

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TOEICの勉強や西武ライオンズの雑感とか

最下位のジレンマ

俺が教えている個別指導の塾では、大半が近隣のM中とS中の子がほとんんどを占めてる。最近聞いた話では、この2校は埼玉県で行われている学力調査では地域で下から1番目と2番目といういわゆる『学力の低い』中学校と揶揄されている。塾が開校したのが去年からで、入塾したきっかけが英語のテストができなかったというので、問題を見せてもらたっのだがその問題の内容を見て驚愕した。下手をしたら大学受験クラスの長文問題、教科書の内容を問う問題一切無し。リスニングも含めて制限時間50分という内容を考えると、明らかに時間が足りなくなるような内容だった。これがM中で、S中も社会の先生が、試験範囲を『今までやったところ全部』とテスト範囲を出し、過去の定期テストを確認したらそのほとんどは、過去の県立の入試問題から抜粋したものだった。これを中1がやらなければいけないという。理科も同じようで、過去に試験範囲が中3生に今までやったところ全部で課してきたことがあった。

教師修行の一環として、最近富田和彦という俺が浪人していたころ、お世話になった予備校講師が書いた『試験勉強という名の知的冒険2』という本のなかに指導者へのことばという章があるのだがそのなかにこんなことが書いてあった。

…一番始末が悪いのは、教えることは教えるのだが、その背景にある本当の意図が、学習者の能力を伸ばすことではなく、「自分が正しいことを証明したい」というタイプの指導者である。こういうタイプの指導者は理屈には長けているので、一見非常に有能に見える。事実本人の能力はかなり高いことが多い。その種の指導者の最大の問題点は、指導内容を選択するとき、多くの場合本人も無意識のうちにその力点を、生徒の学力を伸ばす方向にではなく、生徒や場合によっては他の指導者に対する自分の優位性を保つことにおいてしまっていることである。その人物の作る世界は現実に極めて近いが、ほんのわずかにずれている。そのずれは指導者にしか認識されていない。学習者はその世界をなんとか受け入れようとするが、ほんの少しずつ現実とずれているので、時折その隙間にはまりこんで、決して全てを正解できるようにはならない。男性指導者、それも有能な人物ほどこういう傾向を持っている。(中略)自分の中にほんのわずかではあっても「ゆがみ」を抱える指導者は、ほとんどの場合そのことを自覚しており、したがって「他と比較されることを嫌う」。他と比較されれば、そのほころびが見えてしまう確率が上がるからだ。

…後から確認したところ、どれも問題になってるのは男性の教諭である。生徒に見せてもらった問題文を見たとき、地域でビリ争いをしているという現実から、『俺のやっていることは正しいんだ』というような声が一見聞こえるように見える。ただし、今その生徒は高校生になった今でも俺が指導しているのだが、中学と高校をつなく英語の架け橋の部分が全くといっていいほど抜けていた。理科の先生がそんな先生が多いのも全国で理科が一番できないのは埼玉県というレッテルを張られているからだろう。最下位のジレンマ、俺もこのことは半面教師にしないといけない。



by masa717h | 2016-03-09 11:44 | 指導メモ書き

by masa717h